お知らせ
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作成日:2010/05/27
平成22年度税制改正での法人税における目玉 ・・・グループ法人税制の創設【終了】



完全支配関係のある法人を一グループとして、一グループを一法人と捉えて課税する制度です。

グループ法人税制とは、従来からの法人単位の課税(単体課税)とは別に、完全支配関係のある法人を一グループとして、一グループを一法人と捉えて課税する制度です。

 

 この場合の完全支配関係とは、原則として発行済株式の全部を直接又は間接に保有する関係であり、たとえば次のような資本関係であれば、枠内の法人がこの制度の対象になります。

【ケース1】

  ┌─────────────────────────┐

  │ A社 →100%所有→ B社 →100%所有→ C社 │

  └─────────────────────────┘

【ケース2】

  ┌─────────────────────────┐

  │    ┌→100%所有→ B社 →50%所有→┐   │

  │ A社 ┤                 ├D社 │

  │    └→100%所有→ C社 →50%所有→┘   │

  └─────────────────────────┘

 一グループを一法人と捉えて課税する、といえば、すでに平成14年度に創設されている連結納税制度があります。この制度の対象となる法人も完全支配関係となりますが、この制度の適用は法人の選択に委ねられている一方、今回創設される制度は法人側の選択に委ねられず、対象であれば強制的に適用されてしまう制度となります。

 今回創設されるグループ法人税制の位置づけは、次になります。

               ┌────┐

 ┌─────────────┤法人税制├────────────┐

 │             └────┘            │

 │      ┌──────┐          ┌────┐ │

 │┌─────┤グループ課税├────────┐┌┤単体課税├┐│

 ││     └──────┘        ││└────┘││

 ││┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓││      ││

 ││┃今回創設されるグループ法人税制    ┃││      ││

 ││┃…一部の取引についてグループ一体で課税┃││      ││

 ││┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛││┌────┐││

 ││┌───────────────┐    │││組織再編│││

 │││連結納税制度…グループ一体課税│    │││税制  │││

 ││└───────────────┘    ││└────┘││

 │└─────────────────────┘└──────┘│

 └───────────────────────────────┘

 今回創設されるグループ法人税制の対象となった場合に、注意すべき項目は、いろいろありますが、ここでは代表的な次の二点をご紹介します。

下記1.は平成22年10月1日以降の取引から

2.は平成22年4月1日開始事業年度からの適用になります。

1.資産の譲渡取引等の課税の繰延べ

 グループ法人間での一定の資産の譲渡について、その譲渡損益は、グループ法人外へ譲渡されるまで繰り延べられます。

 したがって、グループ法人間でこのような取引があった場合には、会計上と税務上の損益の認識年度が乖離する可能性が考えられます。

 また、一定の資産とは、連結納税制度と同様に、帳簿価額1,000万円以上の固定資産、土地、有価証券、金銭債権及び繰延資産を指すと考えられており、全ての資産とは限りません。繰延対象となる資産かどうかの把握や、グループ法人外への譲渡時期など、グループ間での連絡を密に取る必要があり、管理や事務作業に手間を要しそうです。

2.グループ法人税制の対象法人は、中小企業の特例が不適用

 グループ法人税制の対象となる法人のうち、資本金5億円以上の親会社の子会社で資本金1億円以下の法人(いわゆる中小法人)がある場合には、注意が必要です。

 中小法人である子会社は、現在のところ次の中小企業の特例を適用できます。

しかし、今回のグループ法人税制の創設に伴い、適用ができなくなります。

(1)法人税の軽減税率(所得800万円以下の法人税率が18%)

(2)留保金課税の不適用(中小法人は留保金課税の適用対象外)

(3)貸倒引当金の法定繰入率(業種に応じた法定繰入率を適用できる)

(4)交際費等の損金不算入制度に係る定額控除制度(最高540万円控除)

(5)欠損金の繰戻し還付制度の適用(中小法人は適用できる)

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