お知らせ
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作成日:2011/03/30
国税通則法が改正されます【終了】



国税通則法は、今回の税制改正での「国税に係る共通的な手続き並びに納税者の権利及び義務に関する法律」に‘改名’されます。

通則法は、名称だけでなくその内容も大きく改正されます。その改正のうち個別税法による課税に大きな影響を及ぼすものを一つ挙げるとすれば、申告した税額が過大であったものとしてその減額処分を要求する手段である更正の請求期限(23条1項)の延長でしょう。

 すなわち、改正前は提出の期限が「法定申告期限から1年以内」とされていたものが、「法定申告期限から5年(法人税の欠損金額については9年)以内」に大きく延長されます。

 今までは、法定申告期限から1年がその期限で、その後に法令違反や計算の誤りなどで過大な税額となっていることがわかった場合、税務署の職権による減額更正を‘お願いする’という実務になっていました。

 その期限が上記の通り延長され、期限内であれば、お願いではなく法令に基づく請求手続きとして行うことができるようになります。

 今までは、3年前の申告が過大であった場合、‘減額のお願い’をして、税務署が最終的にそれを認めて減額更正(還付)をしたものの、それまで、たとえば半年間、処理をしないままにしておいても、更正の請求に基づく処理ではないため、還付加算金(58条)は一切生じませんでした。

 しかし、改正後は、3年経過後でも(5年間は)、更正の請求をすることができますので、改正前の更正の請求と同様に還付処理の遅れに対しては還付加算金の生じる可能性があります。

 すなわち、その還付が、更正の請求があった日の翌日から三月を経過した後に行われた場合は、還付加算金が生じることになります。国としては、特段の事情がない限り、最終的に他の納税者の負担になる還付加算金を払うことは避けるべきですから、税務署内で期限管理の対象になって、改正前の‘お願い’に比べ、短期間で処理をしてくれることが期待できます。

 ただし、更正の請求があった場合、税務署はその請求に係る課税標準等又は税額等について調査して、それらが過大になっていることを確認した上で減額更正をすることになりますので、減額更正の前には税務調査を受けることになります。

 現実問題として通常の税務調査に比べ、その請求の原因とされる処理誤りの問題に焦点を当てその問題に係る事実の確認を主とした軽めの調査になることが多いとは思いますが、もし、その調査の中で納付すべき税額の増加要因となる誤りが別途見つかれば、それと通算した額が処理の対象になります。通算後でも申告した税額が過大であれば、その更正の請求につき一部(通算後の過大額)を認める、ということになりますし、逆に過少ということになれば、修正申告を求められることになるでしょう。

 更正の請求の‘期限’の延長とともに、今回の改正では、その請求‘範囲’も拡大されます。すなわち受取配当の益金不算入(法人税法23条)に代表される当初申告で自ら計算して申告することがその適用の絶対的な要件とされていた納税者に有利な制度の多くについて、当初申告による適用に加え、その失念をした場合に更正の請求を行うことによってもその適用ができるようになります。

 一方、更正の請求の期限の延長とバランスをとるべく、今回の改正では、税務署による増額更正が可能な期間が、現行法定申告期限後3年とされている所得税や相続税・贈与税の更正について5年間(法人税の欠損金額(マイナス)を小さくする更正は9年)に延長されました。

 つまり、更正の請求の延長と引き換えに、所得税や相続税・贈与税について確定申告から3年経過してもあと2年間は‘ほっと’できないということです。また、法人税の青色申告の場合における欠損金の繰越期間(現行7年)は9年に延長されます。

 これらの改正は23年4月1日以後に法定申告期限が到来する国税について適用となります。

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