売上割引とは
「売上割引」は、商品等を販売したことで発生した売掛金が決済期日前に支払われたことで、掛代金の一部を免除することをいいます。
「売上値引」や「売上割戻」とは異なり、損益計算書上、売上高から直接控除するのではなく、営業外費用として計上することになります。
仕入割引とは
「仕入割引」は、「売上割引」の逆で、商品等を購入したことで発生した買掛金を決済期日前に支払ったことにより、掛代金の一部の免除を受けることをいいます。
「仕入値引」や「仕入割戻」とは異なり、損益計算書上、仕入高から直接控除するのではなく、営業外収益として計上することになります。
会計学上は、売上割引・仕入割引は、決済日から期日までの期間に対応する金利相当額の割引を行うものであるため、利息として性質を有すると考えられるために、支払利息や受取利息と同様に取扱い、営業外損益として取り扱うこととしています。
しかし、消費税法では、売上割引・仕入割引について、会計学の考え方とは異なる取扱いをします。
消費税法では、売上割引については売上げに係る対価の返還等、仕入割引については仕入れに係る対価の返還等に該当するものとなります。
消費税法では、非課税取引とされる利息は、お金を渡している相手から貸付期間に応じて一定の利息の支払いを受けた場合は非課税取引に該当するものとして考えます。
売上割引や仕入割引は、相手から貸付期間に応じて一定の利息の支払いを受けているわけではないため、「利子を対価とする金銭の貸付け等」には該当せず、不課税取引には該当しません。
したがって、売上割引を非課税仕入れ、仕入割引を非課税売上げとして処理するのは間違いなので注意しましょう。
売上割引・仕入割引は、掛代金の一部の減額なので、上記の意義に当てはまることになるため、対価の返還等として取り扱うこととなります。