決まった時期はありませんが、譲る側である社長の考えを中心
に、年齢や引退時期などを合わせて考えるのが良いでしょう。
別稿、事業承継に適した時期で述べましたように、事業承継を
考え始める時期というのは、企業によって事情が異なるため、一
概に言えないのが実情です。ただし、あくまで経営者である社長
の考えが中心になります。この事業承継を考える時期というのは、
「社長自身の引退時期の見極め」
と密接に関係しています。
オーナー経営者の方にとって、「自分の引退時期の見極め」と
いうのは、分かっていても触れたくない部分であると思います。
しかし、そこが決まらなければ、具体的な事業承継の時期や承継
を考え始める時期が決まりません。
スムーズに事業承継を行うためには、社長自身のゴールをきち
んと見極め、それから逆算して考えるのが最も合理的と言えるで
しょう。
但し、その前提として後継者の教育も欠かせません。社長が事
業承継を考えても、後継者となる子息にその意識がなければ、後
継者としての意識を持ってもらうことから始めなくてはなりませ
ん。
一般的に、後継者としての基本的な教育は、「常々、経営理念
や物事の考え方を教えること」から始まります。私共では、こう
した後継者の教育は6歳頃から始めるのがよいと考えております。
この教育には、普段、子息と接する時間の長い、社長の奥様も
一緒になって、後継者として「継ぐ意志」をもたせるように言い
聞かせるようにすると、なお、効果的だと言えましょう。
子供の頃からこうした教育を行っていれば、後継者の中に「継
ぐ意志」が醸成されやすくなります。このように後継者育成は、
子供の頃が大切なのです。
事業承継の成否は、その取り組みにかけた準備、計画の出来具合に大きく左右されます。事業承継協議会において、中小企業における事業承継を円滑に、着実に進めるための手引き「事業承継ガイドライン」が作成されています。ここではその要約版を紹介しています。下記のアドレスを参照してください。
http://j-net21.smrj.go.jp/well/shoukei/index.html