この場合は、後継者教育と同時に、幹部教育を徹底する必要があります。幹部教育に関しては、後継者教育と基本的には同じ考え方ですが、以下にそのポイントを紹介します。
1 「あるべき姿は何か」
幹部としての期待要件とその水準(社が求める社員の最高水準)を明確にする。
2 「何を、どれだけ、いつまでに」
その水準を、いつ頃までに達成して欲しいかを明確にする。
3 「いつまでに、どのように」
その達成期日までのスケジュールを明確にする。
地図を持たない登山は、遭難する
4 その要件と水準を満たす為の教育を計画的に行う。
5 成長度合いをお互いにチェックし合い、不足する点を検討・改善する。
幹部の選定については、社長と後継者の両方の意見を取り入れるようにします。なぜなら、どちらか一方の意見だけでは偏った人材が集まってしまうことになりかねないからです。後継者の選ぶ幹部については、社長が冷静な判断を下し、必要な時は他の人
材を加えることもあります。後継者と幹部との関係が好ましい状態が続くように、社長退任後も、後継者との並走期間(二人代表者体制:2期4年程度)を設けてチェックが行き届くようにします。